歯周病
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歯周病とは
「歯周病」とは歯を支えている組織に炎症が起こる歯肉の病気で、成人の80%以上が罹っていると言われています。
歯肉だけが炎症を起こしている状態を歯肉炎、歯槽骨まで破壊された状態を歯周炎と呼びます。
歯周病で気を付けなければいけない点は、初期の段階では目立った自覚症状がほとんど無いということです。10代から少しずつ進行していき、20数年の歳月をかけて歯肉をゆっくりと冒し、歯ぐきから血が出るという自覚症状がでる30代の頃にはもはや歯肉炎、歯周炎になっています。
歯肉炎の段階で治療しておけば良かったのに、悪化して歯周炎になって初めて歯医者を受診するケースが多いのが現状です。
歯周病が進行する
歯周病が進んでくると歯肉が退縮したり、歯が動揺(ぐらぐら)したり、痛くて上手く噛めなくなったりします。放置しておくと歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病の進行段階は、大きく分けて「歯肉炎→軽度歯周炎→中等度歯周炎→重度歯周炎」という4段階に分けられます。ほとんどの人は自覚症状を感じてからはじめて歯科医院の診察を受けに行きますが、それでは遅く、病状はかなり悪化してる可能性も十分あります。
更に、歯周病原菌が血液中に入ると下記のような症状を引き起こします。
- 血管の炎症による動脈硬化
- 心臓内膜の炎症
- 脳卒中等の脳血管疾患
- 早産や低体重児を出産する可能性が高くなる
歯周病は口の中だけにとどまらず、全身の健康に大きな影響を及ぼす病気です。
歯周病の原因
歯周病の原因菌を調べてみると罹患した患者の歯垢の中に下記の3種が約90%の割合で存在することが判っています。
- Porphyromonas gingivalis(P.ジンジバリス)
- Treponema denticola(T.デンティコーラ)
- Tannerella forsythia(T.フォーサイス)
歯周病は、上記細菌の1種、あるいは複数種がその発症の原因となっています。
この3種類の歯周病原因菌の存在を調べるのが「バナペリオ」です。
バナペリオ
当院ではバナペリオを利用し歯周病の原因菌検査を行っております。
歯周病の90%において、口腔内細菌のPorphyromonas gingivalis、Treponema denticola、及びTannerella forsythiaの三菌種の一種あるいは複数がその発症と進行の原因になっていることが報告されています。
バナペリオはその三種の菌に特異的に反応する検査法で、それを用いて検査することによって、これら歯周病の原因になる細菌があなたのお口の中に潜んでいるかを数分で判定することができるのです。康生歯科医院ではそれらの菌が存在した場合には、特定の抗生剤を処方し菌の減少をはかったり、セルフケアのしやすい状況に歯ぐきを治療したり、定期的に徹底的なクリーニング(PMTC)を行い清潔なお口の中を保てるように治療しています。バナペリオによる検査を希望の方は、歯科医師に一度ご相談ください。
バナペリオの特徴
- 痛みを伴わない検査
歯と歯肉の境目に付着した歯肉縁下の歯垢を採るだけなので痛くありません。 - 簡便迅速
操作は簡単。専用の反応器で5分間反応を促進させるだけで結果が出ます。 - 結果は一目瞭然
検査結果は試験紙に出る青色の濃淡で判断できるため肉眼で認知できます。
バナペリオの仕組
- 歯肉縁下の歯垢(検体)を採取し検体塗布面に塗りつけます。
- 検体塗布面と判定膜が接触するようにバナペリオを折り畳み、反応を進行させます。
- 歯垢に歯周病原菌が存在すると判定膜中の発色剤と化学反応をおこし、青色になります。
- 判定膜上のこの色調変化を肉眼で検知することで歯周病原菌の有無を判断します。
歯周病治療
「歯周病は治らない」と思われがちですが、歯を支えている骨がなくなってしまった歯以外は、歯を抜かずに治療することが可能です。また、超音波振動装置にて歯石除去を行うために、痛くない歯周治療を進めていくことができます。
治療期間:1年
来院回数:48回
治療にかかった費用
歯周病治療:保険適応範囲内
メタルボンド(クラウン):140万円(治療費・税込)
治療のメリット
歯並びを整え歯ぐきの状態を改善できる。
治療のデメリット
治療後の定期メンテナンス、ご自宅でのセルフケアを怠ると再度歯周病にかかるリスクが高まります。
歯周病で歯を失ってしまうと、それに伴って歯ぐきもなくなってしまう場合があります。そんな時は歯ぐきを移植して、なくなってしまった歯ぐきを再生することが可能です。
治療期間:1年
来院回数:48回
治療にかかった費用
歯周病治療:保険適応範囲内
メタルボンド(クラウン):140万円(治療費・税込)
治療のメリット
歯ぐきを移植することで、組織の再生を促す治療方法をおこなっています。その後歯周補綴を用いた治療をすることで、歯の動揺を抑える事ができる。また、咬合再構築をおこなえるため噛める環境を整える事ができる。
治療のデメリット
外科処置を必要とする治療方法となります。
治療後の定期メンテナンス、ご自宅でのセルフケアを怠ると再度歯周病にかかるリスクが高まります。
- 朝起きた時、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色でひきしまっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が出てきた。
このような症状がひとつでもある人は程度の差はあれ、歯周病かも?しれません。
すぐに検査を受けるべきです。
比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織再生誘導材料(エムドゲイン)を用いた手術治療を行います。
治療期間:8ヶ月
来院回数:14回
治療にかかった費用
15万円(治療費・税込)/1箇所
治療のメリット
溶けた骨を再生させる治療法です。
治療のデメリット
手術をすることで、腫れ、痛みを伴う場合があります。
また、歯ぐきが引き締まってくるため、被せ物と歯ぐきの段差が目立つことがあります。