2021/10/21
医療の進歩は急速に進んでいて〝再生医療〟に注目が集まっています。
iPS細胞やES細胞という言葉を聞いたことがありませんか。
今までは骨髄から得られた幹細胞を用いていましたが、歯の歯髄から得られた幹細胞の方が細胞増殖能と組織再生能が高く、より効果が高いiPS細胞ができることが分かったのです。
歯科での応用としては、虫歯や歯の神経の炎症でその神経(歯髄)が弱ったり死んでしまったりした歯に、必要のない、親知らずや矯正のために抜去した歯から作った歯髄幹細胞を移植することで、歯髄が再生し、今まで通り使えるようになります。
(神経が死んでしまった歯は虫歯や破折で失う可能性が高く、歯髄を保存することが、歯の延命に繋がります。)
その歯髄幹細胞を歯が健康なうちに作っておく『歯髄細胞バンク』というものがあります。
専門機関が、必要のない健康な歯の歯髄から歯髄幹細胞を培養し、凍結保存しておいてくれます。
若ければ若い程、細胞の再生能力が高いので、永久歯よりも乳歯の方が、より効果を発揮します。
ですから、子供のうちから保存しておくケースも多いようです。
歯を長持ちさせることで、認知症や転倒による寝たきりを予防したり、食事を楽しみとしたり、生活のQOL(生活の質)を高めることができますので、人生100年時代を満喫するために、今から備えておくのも良いのではないかと思います。
まだまだ研究の段階で、臨床でのケースは少ないですが、将来は一般の歯科医院で治療できることを目標にしているようです。
そして、いつか歯髄幹細胞が歯の治療だけでなく、全身に使えるようになるのではないかと私は期待していますo(^o^)o